闘争心

   横綱・朝青龍の引退は、角界のみならず日本中の話題を独占した。7連覇を含む25回の優勝実績もさることながら、近代的なスピード感溢れる取り口、技の豪快さ、そして何よりもあの闘争心は、ファンの目を釘付けにした。国技と言われる大相撲で、外国人とはいえ日本人より華のある超一流の存在だったと思う。それだけに残念な幕切れになってしまった。
 自由奔放な性格、数々の暴言、行動。若干二十九歳の若さで、結果的に綱の品格を背負わされる破目になってしまったが、さりとてファンからすれば、優等生な横綱・朝青龍などは見たくなかったのではなかろうか。良くも悪しくも朝青龍は朝青龍らしく去っていった。

 闘争心と言えば、男子サッカー・東アジアカップ最終戦で韓国代表に1-3で惨敗した日本代表。勝敗云々よりもあの闘争心というか覇気のなさ。情けないったらありゃあしない。なでしこJapanの爪の垢でも煎じてのんだ方がいい。
 ボールを繋ぐ技術は十分あっても、それが肝心のゴールまで届かなければ、いったい何になるというのか。挙句、2、3人の相手選手のあっという間の速攻に失点するあたり、毎試合リプレーを見ているようなものだ。
 そもそも決定力不足は、ここ数十年来言われ続けてきた日本サッカー界最大のテーマのはず。それに対し協会は何らかの強化策を講じてきたのだろうか。この日の戦い方を観て、どういったサッカーをやりたかったのか、個人の能力というよりチームの方向性がまるで見えなかった。これで、ワールドカップに行って世界と戦えるのだろうか? 人一倍、もとい車一倍、愛国心の強い私だけに祖国のチームには、つい辛口になってしまう。にっぽん、ガンバレ!!

 覇気がないとういう言葉、残念ながら我が自民党にも当てはまりそうだ。ここのところ「政治とカネ」の追及で頑張ってはいるのだが、何としても政権を取り戻すんだ!-という迫力は、何やらいまいち。サッカー同様、党の目指す方向性が有権者には見えないんだろうな。
 ところで先日、我が主人、衛藤晟一参議院議員のデスクの上に書きかけの原稿を見つけた。どれどれ、ちらっと覗き込むと、なになにタイトルは、「自由と独立と繁栄を保障する『独立体制の整備』路線」か。サブタイトルに「戦後半世紀の間に、自民党政治が成し遂げたことと出来なかったこと」とある。どうやら有志でつくる政策集団「のぞみ」の冊子に寄稿する原稿のようだ。
 原稿用紙30枚はあろうか。残念だが、ところどころしか拝見できないが、書きかけのところを盗み読みしてみると…、
 『現在、日米同盟が民主党政権によって揺らぎ始めていますが、それならば自民党政権がよかったかと言えば、決してそうではありません。』
 とあるが、そうだったかな?
 『衆議院選挙で民主党勝利が決定的とみられた昨年八月二十六日、アメリカを代表するシンクタンク「ヘリテージ財団」のブルース・クリンガー研究員は「日米同盟をいかに救うか」という報告書を公表し、こう訴えています。
 対米自立を訴える民主党政権によって日米同盟は混乱していくだろうが、自民党政権もこの三十年、国際的な軍事的役割を引き受けることを拒み、集団的自衛権に関する解釈変更もしてこなかったし、国際平和維持活動にも限定的な参加しかしていない。中国が軍事力を飛躍的に高めているのに、日本は国防費をむしろ削ってきている。北朝鮮に対する経済政策でも、軍事行動に参加しようとはしていない。そうした自民党政権の不作為によって、いまや経済大国はゆっくりと溶ける氷山となり、日米同盟も砂上の楼閣となりつつあるのだ―こうクリンガー研究員は分析しているのです。
 確かに普天間飛行場移設問題に対する鳩山民主党政権の対応は稚拙ですが、そもそも日米関係を弱めてきたのは、この三十年間、安全保障に関して憲法改正を含めほとんど何もしてこなかった自民党政権の不作為なのだ、というのがアメリカの専門官の見方であるわけです。』
 なるはど。そういう見方もありか。
 『憲法を改正して、イギリスのように主体的に国際的な軍事的役割を担う独立国家にならない限り、日本は現在の経済大国を維持することも出来ないのだ―というクリンガー研究員の見方に、私も賛成です。
 現在の日米安保条約では、アメリカは日本を守る責務がありますが、日本にはアメリカを守る責務はありません。こうした片務性のため、国際社会で日本はアメリカの「保護国」と呼ばれているのです。二千年以上の歴史と伝統を誇る我が国が敗戦後すぐならばいざ知らず、戦後半世紀以上がたってもアメリカに守ってもらっているというのは不自然です。自分の国は自分で守るという独立国家としての当然の体制を再構築すべきなのです。』
 と続くのですが、あとの原稿用紙はバラバラでどう繋がっているのか…。パラパラっとめくっていたら、どうやら最終ページと思われる締めの文章が出てきた。
 『一方、民主政権は「政治主導」といいながら事業仕分けで明らかになったように、結局は財務省のシナリオに乗っているだけで、掛け声倒れに終わっていると言わざるを得ません。政治主導の政治を実現しようと思うならば、官僚とは別に、アイディアと人材を生み出す「政治の仕組み」を構築しなければならないはずです。
 幸い、日本にも「独立体制の整備」路線を推進する立場から民間シンクタンクが次々と設立されています。これらのシンクタンクと協力し、戦後自民党の「経済繁栄」路線でもなく、民主党の「生活第一」路線でもない、第三の選択肢として「独立体制の整備」路線を提示実行することが「祖国の自由と独立と繁栄を永遠に保障する」保守政治家としての責務であると信じています。』
 これを読むと、どうやら本人の目指す方向性は決まっているようだ。あとは実行のみ。パス回しだけで終わらず、是非ゴールに結びつくようなシュートを期待したいな。
 ちなみに、この全文は後日紹介いたしますので、あしからず。

なるほど

  第174回通常国会が始まった。冒頭から審議された総額7兆2.013億円の新たな経済対策を柱とする2009年度第二次補正予算は、衆参両院ともに与党ほかの賛成多数で可決、成立した。
 審議時間の大半が、政治とカネの問題、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に割かれたのは、景気低迷下の中での補正予算審議だっただけに、残念だったようにも思えるが、孔子曰く、政治は「信なくば立たず」。説明責任を果たさないマザコン、ゼネコン疑惑の議員が党首、幹事長に居座る独裁与党の下では、何を審議したところで虚しいばかりだ。
 報道機関も過熱ぎみで、これだけ、いろいろな角度から情報を発信していては、いったい何が真実で、どこのところに問題があるのかよく分からなくなってくる。そこで今回は、その中でも、私アルファード号が「なるほど」と思った発言、文章を幾つか紹介してみることにした。
● <昨年の総選挙後「自民党の役割は終わった」との厳しい声を聞いた。新年を迎え、小沢ハウスや鳩山子ども手当の話が巷を賑わすようになると「民主党も同じだったんだね」と声の中身が変わった。民主党も自民党と同じ穴のムジナとの指摘には唸ってしまうが、大きな違いがある▼一つは自民党にはその名の通り、自由がある。若手議員も自らの思いを自由に述べることができる。当たり前だ。二つには総合的に国益を考える力があることだ。民主党はどこの国の国益を求めようとしているのか不明だ▼こう書いていて嫌になった。民主党との比較など、もうやめよう。国民の生の声を真摯に聴きながら、正々堂々と自民党のあるべき姿を説いていこう▼「なまごえ☆プロジェクト」はそのための手段である。>〔2月2日付自由民主・小池百合子党広報本部長〕
(なるほど。民主党のコピー「コンクリートから人へ」を、「人って小沢さんのことだったんですね」と皮肉たっぷりに切り返すあたりは、さすが小池先生は論客。報道からは、受け皿にならない自民党と揶揄されているが、あれだけの大敗をしたんだから当然のこと。今は先生の言われる通り、じっくりと時間をかけ、真摯に過去の反省を踏まえて、政策を充電する期間だ)
 ● <(前文略)で、今回も小沢問題。
 予想通りの事情聴取。その後の記者会見で小沢幹事長は疑惑について、すべてを秘書のせいにして全面的に否定した。
 4億円の原資、不自然な金の流れ、政治資金報告書への不記載などについて納得のいく説明は一切ナシ。
「私の記憶している限り事実を包み隠さず申し上げた」そうだが、小沢幹事長の記憶ぐらいあてにならないものはない。
 肝心の4億円についてさえ、当初は「政治献金」、ついで「預金担保の借入金」、1月16日の党大会では「積み立ててきた個人の資金」とコロコロ変わっている。
 鳩山首相は小沢会見後、記者団にこう答えた。
 「(小沢氏は)自分の身は潔白だと申していたからそのことを信じたい」
 あんな説明で小沢幹事長を潔白だと思う人間は鳩山首相くらいのものだろう。
 だらしないのは民主党議員たちも同じだ。地検のリークだなんだと捜査、報道にクレームをつけて「捜査情報の漏洩問題検討チーム」をつくるというが、まずその前に内部調査委員会でもつくって徹底的に調べるべきだろう。自浄能力ゼロだ。
 そもそもこの4億円問題、基本的な疑問が二つある。
 ひとつは小沢幹事長の言うように正当な金というなら、なぜ金の出入りをあれほど複雑にする必要があったのかという疑問。
 もうひとつは、政治団体が、なぜあれほど多くの土地や億ションを買わなければならないのかという疑問だ。(以降略)>〔1月28日付夕刊フジ・月刊『WiLL』編集長・花田紀凱氏〕
(なるほど。この疑惑は、根本的に法律上云々というより政治家としての倫理観、そして政治的、道義的責任を問われる問題なんだ。仮にこの疑惑を地検特捜部が立件出来なかったとしても、こういった行動をして何とも思わない政治家が、国民から信頼を得ることが出来るはずないんだろうな)
 ● <あなた方は要するに経世会の分裂した片割れではないか。経世会とは何か。要するに田中派ではないか。田中派とは何か。五億円収賄犯・田中角栄をかついで、日本の政治を十余年余りにわたって滅茶苦茶にしてきた徒党ではないか。(中略)数の力であらゆる道理を踏みにじってきた、政治腐敗の元凶のような集団ではないか。(中略)
 あなた方のつくったそうした政治構造が、リクルート事件を生み、佐川事件を生み、金丸事件を生んだのではなかったか。(中略)
 政治改革という錦の御旗を振り回していれば、そういう恥ずべき過去をみんな忘れてくれるとでも思っているのだろうか。(中略)
 自分たちの過去にけじめもつけずに、何が新生だ。ちゃんちゃらおかしい。>[上記の花田氏が文中で紹介していたもので、1993年、小沢一郎議員が新生党を結党した時の朝日新聞に、ジャーナリスト・立花隆氏が掲載した文章]
(なるほど、と感心してはいられない。自民党応援団の私には耳が痛いご指摘だ。田中先生の功罪はさておき、改めて考えると今の民主党の重要ポストは、旧田中派の議員が占めている。まさしく古い自民党の負の部分の集合体のようなものだな。だとすれば、金銭疑惑は当然の成り行きなのかもしれないな)
 ● <西田昌司参議院議員(自民党)「(前文略)政治資金をめぐる一番の問題は、資金が巨額である反面、その流れが著しく不透明であることから、政治家が政治資金で私腹を肥やしたり、公正であるべき政策決定が金でゆがめられているのではないかと疑念を持たれていることである。
 そして、政治資金制度の改革と同時に、政治資金規正法違反者に対する罰則を強化し、政治腐敗防止制度を確立するべきである。具体的には、違反者を公民権停止処分にし、違反の言い逃れを封じるために連座制も強化する。
 これは、他の刑罰とのバランスからいえば重すぎることになるが、政治家が自らの重い責任を果たすために自分自身を厳しく律する自律自浄の措置として実施すべきだと思う。政治資金の全面公開と同様に、政治家自身が責任と倫理を明確にする制度として確立すればよい。
 この文章をどういうふうにお思いでしょう」
 鳩山由紀夫内閣総理大臣「これは『日本改造計画』の著者、小沢一郎現在の幹事長の言葉だと思っています。
 それだけに、このような言葉を述べる小沢幹事長でありますから、そのような思いを大変強く持って政治に臨んでいると、そのように私も理解をしております」
 西田参議院議員「これだけのことを言っておられた小沢さんがやってきた、今やっている態度は、私はまったく国民を裏切っていると思いますよ。総理はそう思いませんか」
 鳩山総理大臣「私は今、事実関係がまだ解明されていない中でコメントすることは正しくないと、そのように思っています」
 西田参議院議員「いずれにいたしましても、私は、さっきから申しているのは、刑事的な問題じゃなくてモラルを申し上げております。そして、一番大変重要なモラルは、小沢さん自身がおっしゃいました、自分自身のお金があったんだと、それで買ったんだと小沢さんは釈明されたんです。
 じゃ、なぜ、問題は、それだけのお金があったんなら、なぜ小沢さんは自分自身でその土地を買わなかったのか、なぜ陸山会を通して土地を買ったのか。実は、確信はそこなんですよ。つまり、小沢一郎政治家個人で土地を持っているのと、政治団体、政治資金管理団体陸山会が所有しているのとでは税制上の相違がある。これが一番大きな問題なんです。それをここに書いております。
 要するに、小沢さんがもし個人でその土地を買った場合でしたら、そもそも小沢さんのその四億円はどこから出てきたのかということがまず課税上の疑問点が出てくるんです。総理がおっしゃるように、相続でもらったのか、それとも贈与なのか、それとも自分で働いた所得なのか、だれかからもらったものなのか、そういう問題が出てくる。まず入り口で課税されるんです。
 そして、二番目に、個人の場合には、保有しているときには法人も個人も同じように固定資産税が掛かるでしょう。この団体でも。
 一番問題は三番目なんです。相続なんです。個人で持っている場合には当然個人の相続税の対象になります。ところが、政治資金管理団体でこの土地を保有しているということになれば、それは小沢さんの、小沢さんじゃなくても我々でも同じことですよ、要するに個人の相続財産に含められないということなんです。つまり、小沢さんは相続税逃れのためにしたんじゃないかという疑いが非常に強いんです。そして、それを十億も持っているということなんですよ。(以降略)>[1月26日、参議院予算委員会総括質疑速報より]
(なるほど。いつ聴いても西田先生の意見には説得力があるよな。『日本改造計画』は、私も拝読しましたが、素晴らしい内容に感激し、「こりゃあ自民党よりしっかりした保守思想かもしれねえな」と、往時、我が主人、衛藤晟一参議院議員も唸っていたのを思い出す。その時には、もう小沢先生は土地を買っていたのだろうか?)
 ● <富田茂之衆議院議員(公明党)「(前文略)最後に、一つだけ総理に御紹介したい文章があります。
 前国会で、加藤紘一議員と総理の間で友愛について議論があったときに、クーデンホーフ・カレルギー伯のお話が出てきました。昭和四十五年十月に来日されたクーデンホーフ・カレルギー伯の講演を、私、当時高校二年生でしたけれども伺う機会がありまして、そのときの伯爵の結論は、二十一世紀は太平洋文明の時代だ、西洋から太平洋へ全部移るんだ、そのときに、私たち高校生、中学生に対して講演してくださったんですが、君たちが二十一世紀のこの太平洋文明を担っていくんだというのが結論だったものですから、すごい鮮明に今でもそのお話は覚えているんです。そのクーデンホーフ・カレルギー伯が、四十五年に来日された後、四十七年に対談集を日本で出版されました。その中に、もう四十年前に伯はこういうことを言われているんです。
 民主主義は、今日二つの大きな危機に直面しています。
 一つは金権政治です。民主主義のもとでは、民衆は平等の権利を持っていますが、しかし権力も平等なわけではありません。たとえば、今の世の中では、富のある者のほうが貧しい者よりも権力をもっていることは否定できない事実です。
 だから、どうしても民主主義は金権政治へと移行する傾向にあります。
 こういうふうにまず第一点、警鐘を鳴らしております。
もう一つの危険は、扇動主義です。これはテレビ、ラジオの発達によってますます危険なものとなってきていると思います。というのは、現行の選挙制度のもとでは、とうてい実現不可能な計画であっても、あえて公約してはばからない政治家のほうが、それを言わない良識派の政治家よりも、当選できるチャンスが、多分にあるわけです。
 この二つの指摘を四十年前にクーデンホーフ・カレルギー伯がされているということは物すごいことだと思いますし、この警鐘を我々国会議員は与野党を問わずしっかり受けとめていかなければいけないというふうに思います。(以降略)」>[1月25日、衆議院予算委員会議事速報より] 
(なるほど。もしも、本家友愛思想の提唱者が、いまの友愛・鳩山政治の実態を見ることができたなら、どんな言葉を投げ掛けるのだろうか。それにしてもプラトンの哲人政治といい、カレルギー伯の警鐘といい、民主主義には限界があるのかな。総理の施政方針演説を聴いたけれど、いくら「いのちを守りたい」と優しい言葉を使われたって、税金を払わなかった人の言葉が、納税者である国民の心にどれだけ響くのだろうか。考えただけでも虚しい気持ちになるよね)