回顧録②

 我が主人、衛藤晟一参議院議員の参院選回顧録②

 M秘書 消費税率の問題を含む財政再建は、我が国喫緊のテーマです。菅直人総理の掲げる強い財政、強い経済、強い社会保障の理念は分からなくもありませんが、社会保障の分野を充実することで、本当に景気が浮揚するのでしょうか。そのあたりがよく分かりませんが。
 衛藤晟一 介護分野など雇用の面では、それなりの成果が出るんだろう。ただし、実際にお金が回って税収に結びつくには多少の時間が掛かる。さらに介護は誰にでもできることだけど、だれもが進んで志す分野かというとどうかな。大切だけどそれだけに大変な仕事。労働賃金は基より、誇りを持って働いていただけるような社会の理解と地位の保証がなければ、そんなに簡単にはいかない。

 M そういえば各政党の公約に、公務員の人件費削減、議員定数の削減といったものが多くありました。
 衛藤 国難の時だけに、公僕である公務員自らが率先して身を切らなければならないということだろう。そういう面では良いことだ。ただ、それだけで責任を放棄してはいけない。大切なことは根本的なところの改正だ。詳しく調べてみなければはっきり言えないことだが、我が国の公務員数や国会議員数の国民との比率は、諸外国と比べて著しく高いとは思えない。国会議員の定数を削減すれば、一定の経費は節減されることになるだろうが、民意の反映される場も少なくなる。まして民主党が一時言っていた、衆議院の定数削減は比例部分を削減する、なんていうことになれば小選挙区制の衆議院は2,3の政党しか存在しなくなるだろう。それで多様化する民意を反映することができるのか。国会議員の定数の見直しは、数の妥当性、一票の格差、選挙制度の見直し、さらには二院制そのものの在り方など、総合的に議論して決めるもので、簡単に数字だけが独り歩きするものではないだろう。公務員の削減も同じ。まずは、天下りありきの今のシステムの上に成り立っている制度そのものを改めなくては何も進まない。単に解雇してすぐ帳尻を合わすなんてことはできやしない。地方分権等による役所のスリム化、賃金体系、定年制の見直しなど、数年かけたロードマップを作成してじっくり取り組む必要がある。すぐにできることなら、公務員の給与を一律5%くらいのやれる範囲からカットすることだ。これなら来月からでもできそうな数値だし、金額よりもまず実行することで国民からも信頼されるはずだ。

 M オヤジ(衛藤晟一)は全国区選出ですが、衆議員時代は大分市内が選挙区でした。大分と言えば全国有数の自民党苦戦区です。今回の参議院選挙でも九州の地方選挙区の中で唯一議席が取れなかったのが大分でした。
 衛藤 決して自民党が頑張っていない訳ではないんだ。風土や歴史の影響もあるんだろうが、やっぱり自治労、労組、教組が一体となった選挙戦になると、保守陣営はかなり分が悪くなる。基礎票自体に差があるんだな。

 M 労組や教組が選挙に関心を持つことはいけないとは思わないが、教師の本分は次代を担う青少年の育成にあるはずだし、労組は、労働者の待遇改善、地位向上にあるはず。このごろは選挙に熱中し過ぎて、違反をする組織がよく見られます。余計なことかもしれませんが、労組が支援する民主党が政権についた今こそ、「同一価値労働同一賃金」の実現ができる環境になったんじゃあないですか。そういえば、かつてこの関連法案を国会に提出した議員は、いま厚労省の三役に就任しています。なぜ、このチャンスに労組が力を入れて取り組まないのかさっぱり分かりません。所詮、組合は正規社員、労働貴族のためのご都合集団なのでしょうか。

「日韓併合百年」に関する総理談話に対しての声明

  真・保守政治の実現を目指す、創生「日本」(会長・安倍晋三衆議院議員、幹事長・衛藤晟一参議院議員、事務局長・加藤勝信衆議院議員、会員78人)は10日、菅直人内閣で閣議決定された「日韓併合百年」の内閣総理大臣談話について、「すでに決着していた歴史問題を再び蒸し返すものであり、我が国の国益を大きく損なうものである」とした声明文を発表、強い抗議の意思を示した(衛藤晟一議員の主張はHPの動画で配信中)。今後は抗議集会等を開催し、広く国民にアピールする予定だ。
 声明文は、下記のとおり。

      「日韓併合百年」に関する内閣総理大臣談話に
                                                     対しての声明

 政府は本日、「日韓併合百年」を迎えての「内閣総理大臣談話」を閣議決定した。この「首相談話」は、われわれが憂慮した通り、既に決着していた歴史問題を再び蒸し返すものであり、またわが国の国益を大きく損なうものである。政府がこうした「首相談話」を決定したことに断固抗議するものである。

 まず、「首相談話」は、「その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました」との歴史認識を示し、その原因が「自らの過ち」にあるとして、「痛切な反省と心からのお詫びの気持ち」を表明するとしている。
 しかし、歴史の評価は、われわれが指摘してきたように、基本的に歴史家に任せるべきであり、歴史認識について政府が特定の、それもきわめて一方的な認識を示すことはあくまでも慎むべきである。こうした外交的配慮に基づく歴史認識の表明が、何ら問題の決着につながらなかったことは、村山談話や河野談話の経緯によって明らかであり、それを再び繰り返すことは国益を大きく損なうものである。
 とりわけ、「国と文化を奪われ」「民族の誇りを深く傷付け」などと、韓国における「国民感情」について、日本国の首相が閣議決定までして勝手に表明したことは、あまりに自虐的であり、日本国民と日本の歴史に対する重大な背信である。

 また、「朝鮮半島由来の貴重な図書」の引き渡し問題は、日韓基本条約と同時に締結された文化財・文化協力協定によって解決済みの問題であって、「植民地支配」への「反省と謝罪」と関連づけて引き渡すのであれば、解決済みの問題を今一度、外交問題化させることにつながりかねない。
 在サハリン韓国人支援は既に充分な支援が行われている。その継続の可否はこれまでの経緯の冷静な総括に基づいて再検討されるべきであり、「日韓併合百年」と関連づけて論じることは人道支援の枠組みを歪めるものである。

 さらに、仮に「併合百年」にあたって日韓の「これからの百年」を見据えるというのであれば、日韓条約以降、半世紀近くの歴史にも立脚すべきであって、戦前の「三十六年」だけを対象とし、その「反省と謝罪」の下に「これからの百年」を見据えるというのは、「未来志向」の名に値しない。

 こうした根本的な問題を含む「首相談話」をあえて閣議決定したことは、菅内閣が極めて偏った歴史認識に立脚する政権であることを示すものと言える。われわれは、「首相談話」に断固抗議するものである。

  平成二十二年八月十日
                       創生「日本」

回顧録 ①

 我が主人、衛藤晟一参議院議員の参院選回顧録①

 M秘書 結果的には与党を過半数割れに追い込めました。その点については及第点だと思うのですが。
 衛藤晟一 これで、やっと参議院は議論の場に戻ることができる。174回通常国会の運営は、そりゃあ酷いものだった。審議時間を十分とらないで強行採決、総理、内閣が変わったのに論戦は皆無、最後に参議院は本会議さえ開かれず選挙に向け一直線に閉会してしまった。近年まれにみる独裁運営で、かつての自民党だって、こんなやり方はしなかった。選挙後の総括で、枝野幸男幹事長を中心に、国会運営を反省する言葉が聞かれたが、負けた時は誰でも謙虚になれるもの。政権を取った時点で、数に驕らない姿勢が大切だった。いつも思うことだけど、民主主義は、一定の時間と費用を必要とするものだ。

 M 一方、自民党は改選第一党でした。
 衛藤 一人区での勝敗が大きく影響した。以前ほどではないが、やはり、地方では組織、地方議員などわが党の基盤はまだまだ生きている。ふさわしい候補さえ擁立すれば、これくらいの結果は出るのかもしれない。ただ全得票数、なかでも比例区での得票数は、民主党に遠く及ばなかった。国民の意思は民主党の政権運営に、とりあえずNOを突き付けたのだが、さりとて、自民党に戻す気にはなれない―と言ったメールを送ったということなのかな。

 M 民主党の敗因は消費税を持ち出したことと言われています。菅直人総理も認めていました。オヤジ(我が主人、衛藤晟一)は、そこのところをどう思いますか。確か消費税率の改定は、オヤジ自身は賛成だったと思いますが。
 衛藤 消費税議論を持ち出したというよりも、余りの唐突感に国民や身内の中から不信感を買ってしまったとうことじゃあないの。いったいどういった税制改革をして、無駄な歳出を絞って、何に充てるために、何で10%なのか、説明しきれなかった。そういうことだろう。でも、自民党も消費税増税に触れているわけだから、消費税そのものの議論が受け入れられなかったわけではないでしょう。一番の敗因は、破綻した数々のマニフェストに対して強弁を繰り返す民主党の姿勢に国民はウンザリしたのではないでしょうか。私はそう思うな。私は消費税率の改定には賛成だ。ただし、財政再建の手段に使うことは反対だ。財政の再建は無駄を省き、税制全般の議論をした上で、最も大切なことは景気を浮揚して税収を伸ばし対処していくものだと思うからだ。少子高齢で毎年1兆3.000億円自然増になる社会保障関連費の財源探しは、もはや待ったなしだ。そのための恒久財源は、消費税を充てるのが最も公平で公正だと思う。頂いた消費税はすべて国民の社会保障に還付される。その透明性と、政治に対する信頼があれば、この方法しかないと思う。ただ、導入時期、税率は、景気の動向を十分見極める必要がある。最近の財政再建、消費税、社会保障の議論は同じお金の色で話されている。確かにお金に色はついてはいないが、行革、無駄を省くその間だって1兆3.000億円の自然増は待ってはくれないのだから。

 M この選挙では、保守を標榜した小政党が目立ちました。オヤジも創生「日本」の幹事長として救国ネットワーク(たちあがれ日本、創新党)と共闘した一面もありました。ある意味今の国難ともいえるときに、保守が割れている場合ではない、といったお叱りや激励の言葉が事務所に寄せられていますが。
 衛藤 政界再編と言っても、それは政権をもっている与党が割れてこそ起こるもので、野党が離合集散しても残念ながら体制に影響がない。もともと小選挙区制度(衆議院選挙区、参議院一人区)とは、いやでも2大政党制を推し進めてしまう制度なんだ。今回はみんなの党が第三局として躍進した。民意が多様化していると取れば取れるが、一方、行革、政治主導のアジェンダは昨年の民主党のマニフェストに類似している。(今の民主党は怪しいが)まして、消費税率改定は自民、民主とも賛成した。反対意志があれば、みんなの党を応援することで示した有権者も多かったことだろう。まあ、難しいことがいろいろあることは分かっているが、なんとか保守の大同団結を目指す、それが今の政治信念だ。保守と言えば歴史、文化を大切にした、日本らしさを謳う一方、古い、好戦的なイメージを持たれてしまう負の面がある。なぜ自分の国を大切にすることが常に新しく正しいことなのか、若い世代に理解を求め、若者による国民運動を喚起していく、そういった地味な作業が必要なんだと思う。

 M 日本人はナショナルスタンダードをアメリカンスタンダードと履き違え、自文化で噛み砕きもせず受け入れ、アメリカナイズされてしまったという人がいます。米国社会は法で秩序を保っているが、かつての我が国は、絆であり、掟でしたよね。法は人が人的に作ったものですが、絆と掟は、長い間の営みのなかから発祥してきたもの。それが日本社会の基盤をなしていたはずです。年功序列、終身雇用、親分子分の任侠など、これらのことの是非は別として、絆、掟の観念は日本人のDNAに必ず組み込まれ続けているに違いないと思うんです。その日本人の姿勢が、アインシュタインをはじめ世界の多くの人から絶賛を得たんではないでしょうか。
 衛藤 もう少し自信を持って、良いってことだよな。