日本の危機

●自然の脅威を改めて思い知らされた東北関東大震災。被災から5日目を迎えた現在でも被害の全容は明らかになっていない。地震、津波の被害でお亡くなりになられた皆さまには衷心から哀悼の意を捧げますとともに、負傷された方、またご家族の皆さまには心からお見舞いを申し上げます。未曽有の国難に遭遇した今こそ、日本民族の英知と底力が試される時です。国民一致団結して、乗り切っていこうじゃあありませんか。
●正直、菅直人総理の会見にはがっかりした。「数千人の自衛隊員を編成してもらった」とか言うような趣旨のコメントが聞かれたが、おい、おい、そもそも自衛隊の最高指揮官はあなたじゃあないですか。なぜ「指揮した」「命令した」などの責任ある言葉が聞かれないのか。国民に向けた感情論も大切だとは思うが、あなたが当事者で最高指揮官だという迫力が、私たち国民の心に響いてこない。
●M9の地震は想定外だったというのは良く分かる。それにしても、福島原発の危機、計画停電などの対応は、余りに遅く、情報開示がなさすぎる。政府、東京電力、原子力安全保安院、JR私鉄各社、国民への呼びかけがバラバラで、一般国民は民間の報道でしか情報が伝わってこない。いくら情報伝達が不備だからといって総理が東電を叱って何になる。あなたが最高責任者なんだ。日本政府よ、しっかりしてくれ。スーパー堤防を無駄遣いだと切り捨てた危機管理欠乏の節電啓発担当大臣や、国家意識のない災害ボランティア首相補佐官などを今更任命してなんになる。パフォーマン以外の何物でもないじゃあないか。政府に優秀な人材がいないのなら、他党の中から適任者を登用するぐらいの度量がなくてどうする。オールジャパン最大の危機が、兎にも角にも菅直人の双肩に日本の命運が掛ってしまったんだから。

 なお、自由民主党は15日13時、与野党幹事長会談で次の事項を政府に申し入れた。


    東日本巨大地震への対応について
                           平成23年3月15日
                          自 由 民 主 党

 現下の国家的危機に対して、全党及び政府は、総力を挙げて対応しなければならない。
 従って、国会対応についても、予算・関連法案については、速やかに協議をしつつ、年度内に何らかの結論を得るべきである。また、この事態に対する緊急措置が講じられ、復興への道筋が見えるまで、与野党間の激しく対立する議論(「政治とカネ」の問題、年金問題、子ども手当等政策的相違が大きい問題)等については、災害復旧に影響を及ぼさない扱いが必要である。
 いずれにせよ、各党はそれぞれの経験と智恵を絞り出し、国民が復興へ向けて力強く歩み始めなければならない。わが党は下記の提案等により、その決意と覚悟を示したい。


                記


1.人命救助、被災者支援に全力を傾注するとともに、福島原発問題は喫緊の最重要課題であり、万全の対応を尽くす。
2.23年度予算は来週審議に入り、年度内に結論を出す。
3.関連法案(国税、地方税、関税、特例公債、地方交付税等)についても、来週審議に入り、少なくとも来週中には参議院に送付する。参議院の採決の時点において、それらの修正及び「つなぎ法案」のあり様については、野党としても協力し、結論を得るものとする。
4.子ども手当については、この緊急時においては、凍結する。
5.22年度予備費約1,700億円、23年度予備費1兆1,600億円を併せて、当面の災害対策費として充て、被災地に対して速やかに交付し、被災者に希望を持たせなければならない。
6.その間、復旧等に要する23年度補正予算、さらなる復旧等のための財源として、子ども手当及び高速無料化等、23年度予算に計上されたもの等を廃止する。そのうえで、5.と併せて新たな5兆円規模の緊急対策を講じる。
7.その後の地域の復興計画の作成にあたっては、別途最大限の努力を行う。
8.「東日本巨大地震災害対策与野党協議会(仮称)」を設置する。協議会の運営については、適宜調整するものとするが、
・政府は防災担当大臣、各党は幹事長・書記局長、政調会長が常時出席し、必要に応じ、各党代表が出席する。
・院内常任委員長室に看板をかけ、逐次開催する。
・政府・各党間で情報共有を図る。その前提として、政府は迅速・正確な情報開示に努める。
・各党は災害復旧に関する建設的意見を提案する。政府はその実現可能性について精査したうえで、その実現に努める。
・この協議会は、あくまで復旧対策のための場とする。

実体のない恐ろしさ

  ●2011年度の予算案が、予算関連法案と切り離されて参議院に送付されて来るそうな。ずいぶん不思議な話ではないか。財源の保証もない予算案を参議院で審議することに意味があるんだろうか。一般家庭で、女房が一か月の家計の遣り繰りに頭を捻らせたところで、稼いでくる亭主の給与の額が不明では予定の立てようがないではないか。衆議院では圧倒的に与党が多数を占めているのだから、関連法案を可決することは容易いこと。予算案、関連法案揃って参議院に送付することが正常の姿だと思うが…。
  ●税制関連法案、特別公債法案、子ども手当法案は参議院では野党の多数で否決されることだろう。衆院に再送付されても、現状の与党の議席数では3分の2で再可決することは不可能だ。すると菅直人総理の選択肢は、法案不成立の責任を野党に押し付けて居直るか、それとも総辞職か、はたまた解散か。野党に責任を転嫁したところで、そもそも予算編成は政府にしかできない。まして衆参ねじれ国会は昨年の参院選の結果から分かっていたはず。いまさら居直ったところで、手を拱いていた責任は与党にあることは明白だ。では総辞職はどうか。マニフェストが破綻しているのだから誰が総理になっても同じではないか。マニフェストの厳守を訴える守旧派と、なし崩しに約束を違える詐欺派が党内抗争を続けることに何の変わりもない。ならば追い詰められて一か八かの解散しか道はない。「税と社会保障のあり方」を争点に総選挙、そんな選択肢しか残らないように思う。
  ●さすれば選挙で民意を問うということになるんだろうか。しかし、この民意ほど当てにならないものはないよナ。民主党を選んだのも民意なら、失望しているのも民意なんだから。
  「民意とはそもそも不破雷蔵の集合体である。今日は右、明日は左。ひらひらと舞う木の葉のよう。政治家諸氏が民意を連発するたびに、私は背筋が寒くなる。きっと『国民目線に立つ』といいたいのだろうが、実体のない民意などよりどころにしてもらっては困るのだ。上に立つ者は、断固たる志をもって突き進むべし。だからこそ、みんな安心してついてゆける。もちろん他人の意見に耳を傾け、唯我独尊をつつしむことは大前提だとしても、民衆の顔色を見て媚へつらうなどもってのほかだ。最近、幕末の志士たちの小説を書いたせいか、自己本位で画一的な現代人が不甲斐無い。日本人はもっと輝いていたはずだ。格差社会、けっこう。格差があるからこそ上を目指して頑張る。公平より、努力すれば道が拓ける社会をつくることが、政治家やジャーナリストの役目ではないか。民意なんかに騙されてはいけない」(読売新聞2月4日夕刊)
  作家の諸田玲子さんは、コラム「民意 実体のない恐ろしさ」でこう述べている。何と耳の痛い話だこと。