税と社会保障の一体改革①

 消費税率の引き上げについては、大方の国民の理解は得られていると思う。900兆円にも上る債権を持つ我が国ではあるが、その償還先が95%国内であれば、簡単には欧州の金融危機のような状況には陥るまい。ただ、毎年度の予算編成で税収を上回る赤字国債の発行を続けることは極めて拙い。プライマリーバランスは何としても守らなければならない。

 さて、そこで少子高齢社会を乗り切るためにと民主党は「税と社会保障の一体改革」を打ち出し、消費税率の引き上げに向かっているのだが、そこでひとつの疑問にぶつかった。
 消費税はすべての人から公平に、そして安定的に社会保障費を拠出してもらえる制度だとは良く聞かれる理論なのだが、それでは本当に消費税がその意味では財源として適切なものなのだろうか、と考えてみるとどうも怪しい。そもそも社会保障の考えの基本は所得の再配分だ。現役世代の人間が富を共に分かち合うことで共助の社会を作っていこう、というものだ(未来に付けを残さないように)。だとすれば、逆進性のある消費税こそが最も似つかわしくない。なぜなら、税率が一定の分、所得の低い人ほど負担率が高くなってしまうからだ。それならば、所得の再配分という点からいえば所得税の累進課税、相続税、大企業の優遇減税の見直しなど、他の税制こそもう一度見直さなければならないのではないのか。
 お金に色は付いていない。とはいえ、消費税はあくまでも我が国税制の直間比率の改善を目的に導入されたものじゃあなかったか。それが何となく、いつの間にか消費税=社会保障費の図式が出来上がっているように思える。

 景気対策を打ち、GDPを押し上げれば消費増税は財政健全化に必要だ。しかし、社会保障費の安定財源には、もう一度すべての税制を見直すことが肝要に思えるのだが。