税と社会保障の一体改革②

 内閣改造が終わりいよいよ終盤国会の佳境を迎える。
 未来に安心できる社会保障と税の改革のための消費税率の見直しは、すべての国民がある程度は納得できているものと思う。しかし民主党案への批判は強い。
 
 根底にはまず消費増税が、マニフェスト違反という大きな嘘のうえに成り立っている政策だということ。また重要なことは、東日本大震災、超デフレ経済の下、ここで増税をして本当に日本経済は大丈夫なのかという基本的な疑問。さらには、民主党の社会保障改革自体の未来像がまったく不透明なことなど、数え上げれば枚挙にいとまがない。
 そうなると、民主党内で消費増税に反対を唱える小沢一郎先生グループの論理が、一見的を射ているように見えるのだが、これがまた余計に混乱を招く結果に。そもそも政局を中心に絶えず数の理論を展開する小沢先生が、本当にご自身の言われるとおりの一兵卒というのなら、どうして最高司令官と軍令に真っ向から反することが出来るのか。ご本人の好まれる組織の理論を御自身が否定しているのではないか。党内での意見集約時に何らかの行動を起こすほうが、国民には分かり易かったと思うのだが。
 
 一方、野田総理も野田総理だ。「乾坤一擲」なる言葉を使い己を奮い立たせて、小沢先生との会談に臨んだようだが、乾坤一擲なる意味を本当に御存じだったのか。 
 乾坤一擲は、あの劉邦が項羽と雌雄を決する最後の戦いに向かう姿勢を追懐したものといわれ、西洋では古くにローマへの進軍を決意しルビコン河を渡ったシーザーの「賽は投げられた」と同じ意で使われ、どちらも「のるかそるかの大一番」というものだ。
 さしずめ日本でいえば織田信長の「桶狭間の戦い」や徳川家康の「関ヶ原の戦い」のようなもので、二度とない決死の覚悟を表すものでなければならないはずだ。
 それがどうだ。会談は二度に渡って、それも何のためにもならない仲介者を入れて行われたようで、まるで真剣を戦わせた形跡などみじんも感じさせなかった。どうやら、総理はご自身の博学と雄弁さに酔いしれて、自らを希代の英雄と錯覚しているのではないか。
失礼だが一般人の感覚ではそんなようにしか見えない。

 ではどうすればいいのか。それは正論をもって国民に信を問うのが一番だ。社会保障を含めた日本の未来を誰に任せるのか。野田民主党か、小沢グループか、それとも橋下大阪維新の会なのか、自民党なのか。「国民生活が第一」ならば、いまこそその主役の国民に信を問うべき時ではないのか。