矢野竹雄先生を偲ぶ

  むせるような山々の緑に響き渡る蝉しぐれ。空は抜けるように蒼く高く、雲はほんの少し手を伸ばせば今にも掴めそうだ。大分県佐伯の自然は、日ごろ忘れかけた郷愁を漂わす。「こんな青空を都会では見たことがない」。

 この日(7月31日)は、オヤジ(衛藤晟一)の岳父、矢野竹雄先生(享年95歳。元大分県議会議長)の告別式のため久し振りに大分入りした。街の花屋中から集められたと思わんばかりの献花に飾られた斎場は、会葬者で溢れかえった。これも一重に故人の人柄が成せる業か。今から20年以上前、私がまだオヤジの随行を担当していたころ、矢野先生には随分と可愛がっていただいた。「はい、どうも」が口ぐせで、ひょうひょうとしながらも優しい眼差しでほほ笑む顔が、ついこの間の事のように思い出す。改めてご冥福をお祈りいたします。(日本全国の支援者の皆さまから、数え切れない弔意をいただきました。また、遠路遙々会葬にお越し頂いた皆さま、本当にありがとうございました。心より感謝するとともに厚く御礼申し上げます)

 そういえば先生から「晟一は選挙が弱いからな。わしがまだまだ頑張らないといけん!」と言われるたびに、自身の秘書としての不甲斐無さに涙が出そうになったっけ。
 「選挙での借りは選挙でしか返せない」のが私たち業界の仕来り。その機会が来年、6年ぶりに訪れる。絶対に負けられない戦いがそこにある。「矢野先生、見ていてください。来年の選挙では必ず一番手柄を挙げて見せます。そのことが先生への唯一の恩返しと思っていますから…」。(M)