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集団的自衛権

   先日、自称「平和主義」を名乗る友人と居酒屋で杯を交わした。
 日頃から政治と仕事の話題は、飲み屋では御法度と決めているのだが、友人もだいぶ酒に飲まれ思わず口をついたらしい。
 「お前ら(自民党)最近、集団的自衛権の政府見解を見直そうとしているらしいが、冗談じゃあない。また戦争に国民を巻き込むつもりか。衛藤さんはどう考えているのか」。三流新聞の受け売りよろしく、友人は切り出した。
 「そうは言っても、緊迫するアジア情勢の中、あらゆる事態を想定して自国と国民を守るのは政治家の役割だろう」と言い返すと、
 「馬鹿だな。だから外交が大切なんじゃあないか。武力で平和は訪れない」
 「そんなことは分かっているさ。しかし外交で決着がつかない場合どうするんだ。話し合いがつかないから、領土が守れません。国民の皆さんごめんなさいーとでも言えばいいのか」
 「大丈夫だよ。今の世の中99%侵略なんか受けないから」
 「じゃあ、残りの1%の場合はどうするの。安全保障っていうのはその時のことを想定して対応することじゃあないのか」
 「大丈夫。その時は米国が何とかしてくれる。日米安全保障っていうのはそういうことだろう」
 話しはこれで終わった。

 自分の家族、恋人や友人の危機を他人に任せて、自分は手を下さないで静観する。時には他人に金銭を与え助けてもらう。それが平和というものだーなんていうことがどの世界で通用するものか。集団的自衛権の議論はやっとこの国も普通の感覚を持ち始めた証だと思う。大切なのはその枠をどう定義し国民の覚悟と理解を求めるかだ。安倍政権の腕の見せ所だ。

 現在の野党の在り方を、某6チャンネル(東京エリアだけかな。ちなみに大分県では3チャンネル)の報道番組のコメンテイターは、「民主主義の崩壊」と詰った。特定秘密法や集団的自衛権の解釈について、野党が一致団結して反対しないのが情けないーということらしい。
 政党にはそれぞれの政策があり、何が何でも与党に反対するべし、なんていう考えはどうにもならないものだと55年体制の終焉で国民は学習しているのだ。ただただ反自民党だけでできた細川8党連立内閣、民主党政権は、いったい何をなしたというのか。正しいことは与党であれ野党であれ正しい。違うべきところは違う。報道はその違いや政策の中身を国民に正しく伝える。そうあるべきだろう。決断は国民が下す。これが国民主権だ。

 いまだ自分の意見だけを正義と信じ、公共の電波を使って国民を煽る、こんな輩はいち早く報道のフィールドからレッドカードを突きつけようじゃあないか。