鰻と蕎麦

  私こと、アルファード号が語る我が主人、衛藤晟一参議院議員のある一週間のスケジュール。
 
 3月XX日(日)
 前日に愛知県入り。朝、豊橋市のAホテル出発、市民福祉フォーラム出席のため市民文化会館へ。「これからの社会保障と政治の役割」をテーマに、全国地域生活支援ネットワークの副代表・T氏と対談。終了後、新幹線で上京、そのまま麹町議員宿舎へ直帰。
 昼食は「幕の内弁当」だったらしいが、本人いわく「よく覚えていない」。そのため味のほうも「………」。
 <解説> 主人の日程は以前紹介したとおり、我が相棒のG秘書と事務所唯一の女性F秘書が担当しているのだが、これが、かなり至難の仕事らしい。
 日程は分刻みで、ダブルブッキングなど日常茶飯事、トリプルなんかも珍しくない。彼らは、それを主人と打ち合わせ選択、調整して組み立ててゆく。
 日程表は、B5用紙に左側から時間、内容、場所の欄が設けられており、その一部は、頭に黒星印が打ってあるのだが、これは担当秘書がプライオリティーを決め、主人に内容の重要さ、出席してほしい意を伝えている。
 主人が日程どおり行動してくれると問題ないのだが、なかなか、そうは問屋が卸さない、らしい。

 3月XX日(月)
 早朝7:08分の上越新幹線「とき305」で新潟へ。この日は参議院拉致特別委員会の視察。ジェットフォイルを乗り接ぎ佐渡へ渡り、拉致現場を実地調査。行政関係者、県警本部からの説明を聴き、曽我ひとみさんと懇談する。
 昼食は、河口から200㍍上った河畔のホテルで拉致現場を眼下に松花堂弁当を食す。
 ちなみに、松花堂弁当とは、十文字に仕切りをした方形の縁高(ふちだか)に料理を盛り込んだもので、江戸初期の書画家・松花堂昭乗がこの器を用いたことに由来する。

 3月XX日(火)
 朝8:00宿舎発。6つの会合をこなした後、拉致特別委員会。この日のメーン、厚生労働委員会は6時間コース。主人は理事を務めているため、へばり付く。終了後は6会合、2レクをこなす。
 なお、昼食は参議院執行部会でパワーランチ。すき焼き弁当を食す。主人いわく「衆議員時代の会合に比べ、参議員は豪華な献立だな」。

 3月XX日(水)
 7:30発。党障害者特別委員会(主人は委員長)を皮切りに黒星印だけで13の日程が連なる。
 この日は、本会議が開かれたため多忙極まりなく、よって昼食は抜き。至極当然でよくあること。

 3月XX日(木)
 8:00発。この日も黒星印日程が13。その合間を縫って「天皇陛下御即位20年事業」に関わる根回しに東奔西走。主人は議連の事務局長を仰せ付かっている。
 昼食は、政策グループ・志帥会の会合で、本人のリクエストどおり「鴨南ばん蕎麦」。「昼食の量的には、蕎麦ぐらいがベストだな」。
 明日からは三連休で、国会は小休止。最終便で大分へ帰郷し、久々の地元回りだ。

 ここまででお分かりのように、当たり前のことだが主人の昼食は、ごく簡素なものだ。国会議員とはいえ、ただの人、ほかの先生とて大差ない。
 が、主人は、拘りだけは人一倍持ち合わせており、決して高価で、贅沢なものを望まないが、自分の味覚だけは大切にしている。
 「うまい鰻なら鶴崎の『菊の家』か、宇佐の『志おや』。蕎麦なら湯布院の『花のそば』あたり。そうそう都町の『齋』もタマラナイ」と、地元の味を紹介する主人。大分県にお越しの際は、ぜひお試しあれ。

<余談> 先日、おもむろにM秘書は受話器を握り、警察庁控え室のダイヤルをプッシュ。
 「今朝、テレビで見たんですが、あのお笑い芸人・陣内智則(女優・藤原紀香と離婚した直後なので『あの』という表現を用いたらしい)がキャンペーンをする啓蒙ポスター、何だったっけな、振り込め詐欺撲滅みたいなやつ。そのポスターを頂戴できませんか?」。
 突然のことに担当者は「………。よく分かりませんね。そのポスターには何が写っているのですか?」。
「う~ん、『レッドクリフ』という映画をご存知ですか。その映画に出演している林志玲が写っていたような…」とM秘書。
 「分かりました。警視庁交通部の飲酒運転根絶啓蒙ポスターですね」と理解を示してくれた担当者に「そうそう、それそれ。うちの事務所にも掲示して、一役買わせていただこうと思っているんです」(なんちゃって、実はM秘書は台湾のスーパーモデル・林志玲の大ファンなのだ)と懇願して、M秘書は受話器を置いた。
 すると、それまでじっと成り行きを静観していたN秘書が、小声でぽっつり呟いた。
 「すみません。僕にも一枚回していただけませんか?」。
 えっ!! まさか君までもが林志玲のファンとは、知らなんだナー。
 程なくI警部殿によって無事ポスターは事務所に届けられたそうな。
 「どうもありがとうございました!!」。