真実

  一般会計で、過去最大の88兆5.480億円に上る平成21年度当初予算が成立した。参議院本会議では、野党多数の反対で否決されたものの、憲法の定める衆議院優越規定で成立、関連法案も与党の三分の二以上の賛成多数で再可決した。
 予想されたとはいえ「ねじれ国会」は複雑極まりない。与野党間の対立は、いったい何のためのものなのか。「ねじれ」もまた民意の表れならいたしかたないのだろう。

 予算の内訳を詳しく調べてみると、国の借金返済に充てる国債費は約20兆円(全体の22.9%)で、地方交付金等約16.5兆円と合わせると、予算全体の四割を超えてしまう(給料の半分弱が借金てのは大変なことだ)。残る51.7兆円が一般歳出に充てられるわけだ。
 その一般歳出のうち、社会保障関係費の占める割合が、何と48%の24.8兆円。このことからも、いかに我が主人、衛藤晟一参議院議員がライフワークとする厚生労働行政が、国の根幹に位置するものかがお分かり頂けよう。

 ところで、この社会保障給付(福祉、医療、年金)の額だが、随分と多額のように思われがちだが国際的にみるとちょっと違うようだ。
 2005年のデータによれば、我が国の社会保障給付額は対国民所得比で26.2%なのに対し、米国は20.2%(先進国でもこの手の分野では、米国の数字は参考外。富裕層以外は、かなり暮らしにくい国のように思われるが……)、英国28.3%、独国27.6%、仏国40.6%、スウェーデンに至っては41.9%で、欧州各国に比べ、低いことが分かる。

 そして何より目を引くのは、給付に対する国民の負担率。我が国の38.9%という数字は、軒並み50%を超える欧州各国と、比べものにならない。主人は「今後の少子高齢社会では、社会保障給付額の更なる増加が見込まれる。しかし、国債費の占める割合が大きくて社会保障の充実に手が回らないのが現状だ。行政改革で無駄を省き、いわゆる埋蔵金(財融特会、外為特会)を当てても短期的なもの。恒久的な財源措置は、今から議論しなくてはとても間に合わない」と話す。日々、使途に論議が絶えない公共事業費は、たかだか予算全体の8%(約7兆円)にすぎず、防衛費は5%の4.7兆円余りなのだ(この額で独立国なのかとも思うが……)。増額するかどうかは別として、これ以上減額できる数字には思えない。

 国民負担といえば、「長寿医療制度」について一言。基本は、75歳以上のお年寄りの医療保険制度の改正だったのだが、「高齢者に冷たい制度」、「姥捨て山」など報道、世論から散々叩かれ酷評を受けた。
 確かに「後期高齢者医療制度」というネーミングは、役人らしいセンスのなさを感じさせるが、すでに旧老人保健制度では限界が見え、これは与野党を問わず一致した見解だったはずだ。それほど我が国の医療費は逼迫している。
 数字で見ると現在、0~60歳の国民は約1億人で1年間の医療費は約15兆円。65~75歳が約1.400万人で約7兆円、それが75歳以上になると1.300万人で約12兆円に跳ね上がる。これでは保険としての体をなさなくなる。だからこそ75歳以上の高齢者の医療を守るために、国が5割、他世代から4割を負担し、ご自身に1割(減免措置あり)ご負担いただき健康保険制度を恒久的に維持していこうとしたものだ。言い換えれば、お年寄りを大切にした制度とはいえないか。

 社会保障から安全保障に話を移すが、先日、北朝鮮のミサイルが我が国上空を通過した。果たしてこれが米国や欧州各国の上空を通過したら、どうだったのだろうか。今後、北朝鮮が核を搭載したミサイルを保持するのにそう時間はかからないことだろう。
 極東では中国もロシアも核を保有しICBM(大陸間弾道弾)を装備している。こうした軍事バランスの中、20基のPAC-3ランチャーとSM-3を搭載する2隻のイージス艦で我が国の防衛は万全なのだろうか。
 主人は党の拉致問題対策特命委員会の対北朝鮮経済制裁シミュレーションチームの座長を務め、この4月からの経済措置の見直し、期間の延長、強化等を取りまとめ政府に報告したのだが、輸出入の全面禁止など数項目が取り上げられず、やや渋い表情を見せた。
 世界平和を望み、恒久的な戦争の放棄は勿論大切なことだが、話し合い、対話などと唱えるばかりで、埒があくほど外交は甘くはあるまい。かつて評論家の金美齢さんと会食した際に金さんは「日本の外交は弱腰過ぎる。表現は悪いが『敵ながらアッパレ』といわれるような毅然とした態度と行動を見せてこそ、中国あたりとは互角に渡り合える」と話していたが、なるほど説得力のある意見だ。世界で唯一の被爆国として、主人をはじめ政治家の強い意志と行動を国民は期待しているはずだ。

 さて、「レッドクリフPartⅡ」の上映が始まった。相変わらずM秘書は、すでに3度足を運んだそうで「改めて林志玲の美貌にはうっとりした。あれが、すっぴん(ノーメーク)とはにわかに信じられない」とコメントしているが、それはさておき、ストーリーを詳しく話してくれたのだが、その内容たるや私の歴史観とはかなり乖離していることに驚愕した。
 そもそも、魏の曹操に対し蜀、呉の連合を持ちかけ、「天下三分の計」に奔走したのは三国志きっての戦略家、呉の賛軍校尉(参謀長)・魯粛だったはず。また孫権に開戦を決意させたのは左都督・周瑜であり、赤壁での季節風を利用した火攻めを進言したのは老将・黄蓋だといわれている。肝心の劉備はといえば、3万の兵しか持たない周瑜を軽んじ梟雄ぶりを発揮して、勝敗がどちらに転んでも大丈夫なように最後方に陣を構えた―と歴史書には記されている。
 
 映画は映画、楽しければそれでいいじゃん、とは思うが……。
 歴史も政治同様、真実は限りなく深い闇の中なのかもしれない。