項羽と劉邦

  民主党政権にとって初となる臨時国会が始まった。
 我が主人、衛藤晟一参議院議員は、引き続き参議院厚生労働委員会理事を担当、政権公約の財源の裏付け、普天間飛行場の移設など日米同盟について、郵政問題などで論戦を展開する。野党となった自民党の政党としての真価が問われそうだ。

 日本航空の経営再建問題が、連日紙面を賑わせている。企業再生支援機構の下で再生を目指すのだが、政府は高額な企業年金の引き下げを柱とする支援の一括法案を検討しているらしい。会社更生法の適用も完全否定できないなか、どこまで一民間企業の救済に税金を投入して国民に納得してもらえるのか、政府の姿勢が問われそうだ。

 先日、久しぶりに旧知の友である某テレビ局の記者と連れ立って、赤坂のネオン街に繰り出したM秘書。そこでこんなアドバイスを受けたそうだ。
 「日航の再生問題は、いまの自民党にダブって映る。50年以上もたった組織は構造的に寿命が来ているんじゃあないかな。自民党が立党の原点に戻って再生を目指しているのはよく分かるけど、時代背景や社会情勢、環境が大きく変化している。真の保守政治を目指すのは賛同するし、多くの国民も期待していると思うけれども、それならばその理念を整理して、志を同じくする政治家だけが結集して国民にビジョンを提示するほうが分かりやすい。JALだって鶴のマークは残してほしいという声は多いけれど、会社そのものに未練を持っている国民は少ないと思うけれどな」。そういえば、最近同じような趣旨の手紙、メールが事務所に数多く届くようになった。
 また、先般、評論家の西部邁さんと対談した主人は「一面だけを取り上げて過激に報道するマスコミ、個人の身勝手が自由とも取れる現在の『大衆』思想は、あらゆる面で日本人の精神的未熟さを露呈しているような気がする。先の総選挙で、そんな民意が選ばなかった自民党のほうが、かえって正常なのかもしれない。所詮、バラまき思考は民主党を選ぶんだよ」というような内容の言葉で諭され、納得したような、しないような複雑な気分になったらしい。
 それにしても有り難いことに、野党になった自民党でも、みんな親身になって考えてくれているんだな~。

 かつて中国初の統一王朝、秦の始皇帝が倒れ、その後の覇権をめぐって楚漢戦争が勃発した。「項羽と劉邦」の戦いだ。武力に勝り、優れた統率力を発揮して、常時最前線に陣取って兵を鼓舞し戦い続けた稀代の英雄、楚の「項羽」。一方、何ひとつ取柄の無い漢の「劉邦」は、常に劣勢を強いられ、99回戦えば99回敗れた。しかし、ついにその劉邦が得た最後の戦い、たった一回のチャンスに「乾坤一擲」で挑み見事、項羽を滅ぼす。歴史は壮大なドラマだ。四面楚歌で最後を迎える項羽の姿を「劉邦に滅ぼされるのではない。天が楚王項羽を滅ぼすのだ」と記したのは、あの司馬遼太郎だった。

 なぜゆえ凡人が、天下の英雄を倒すことが出来たのか。ひとつは優れた家臣に恵まれたことにあるともいえる。内政を一手に引き受け兵力、食料を前線に送り続けた蕭何、曹参、史上最高の軍師・張良の存在、そして大将軍・韓信の活躍。が、何よりも臣下を信じて疑わなかった劉邦の姿勢、その人望こそが英雄を倒した最大の要因ではなかったのだろうか。

 大民主党の絶対的権力者、O幹事長の姿が、項羽に見えてきてしょうがない。となれば、我が主人には是非とも劉邦になっていただきたい、と思いたいのだが、そんな大それた御伽噺は語るまい。なら、せめて韓信。真の保守政権樹立を目指す正規軍の韓信になってほしいな~。近頃そんなことを思う私、アルファード号であります。