月給袋

  ある文豪によれば、月給まるごと女房に預けて、小遣いをもらっているようでは男といえないそうだ。
 「月給袋から自分が要るだけ取って、残りをやりゃあいいんだよ。女房には、おれはこれだけ要るんだからと、あとはこれだけでやれと。でも、それは結婚したその日からやらなきゃだめなんだ。もう結婚して半年もたってからやろうったって、女はきくものじゃないよ。でも、男はその金をね、おれはこれだけ要るんだからって競馬やったりね、博奕(ばくち)に狂ったりさ、あるいは女に狂ったり酒に酔ったりしたら、これじゃあしょうがない」。
 至極正論に思うけれども、現代の草食化した男どもに、果たしてこんな話が通じるのだろうか?

 戦国時代、前田利家という有名な武将は、鎧櫃(よろいびつ)の中にいつでも算盤をいれて戦争に行っていたそうな。それは戦争の費用を計算するのは基より、兵力の差とか、兵隊の食料、それに兵員の数との関係とか全部、算盤ではじいていたというのだ。昔の武士というのはすべて算盤。金勘定たるものは武士の基本だったらしい。

 今の時代、給料はほとんどが銀行振り込みになっちまったから、封を切らずに奥さんへなんて、見かけなくなった光景だが、振り返ればこのことが男の権威を失わせる発端になったのかもしれない。ちなみに我が主人、衛藤晟一参議院議員の場合は、九州男児らしからぬ「女房にお任せ」派(M秘書の証言)。公務をはじめ事務所の運営などで多忙なため家庭の運営は勘定奉行(夫人)に一任ということなのだろう。だからといって、どこかの議員のように事務所の経営にも無関心、というわけには行かない。我が事務所の内情は、見た目通り、火の車。主人自ら先頭に立って消火活動に励まなければ、ローン(任期)を残して母屋は全焼してしまう。まして、主人の義父母からの「子ども手当て」の支給なぞは、とても望めそうもない。まぁ、そりゃあそうだ。健康でいていただくだけで十分。主人は自分で決めた道を、自分で歩いているのだから。

 こんな話をしていると、月額1.500万円、年間で1億8.000万円もの大金を数年間頂いておきながら、親子間でまったく会話に上らなかったなどという一国の首相の国会での答弁は、あまりに国民をなめきった話に思えてくる。「知らなかった」という答弁が、もしも嘘であるならば、あろうことか国民の前でそれを天地神明に誓ってしまったんだから、それこそ神をも恐れない不届き者になるんだろうし、仮に事実であったとしたら、こんな異常な政治家が国家財政の切り盛りをしているなんて、神はお許しになるのだろうか。
平成の脱税王と国会の不動産王が、詐欺のようなマニフェストを振りかざして跳梁跋扈する今の政治状況は、いったいいつまで続くというのだろうか。