お試し期間は終了

 ●日本のサッカーアジア杯優勝に、どれだけの国民が勇気づけられたことか。経済成長が鈍り、やや薄れかけた我が国の威信。そんな折、カタール、韓国、豪州といった強豪を撃破し掴んだ栄冠は、ある意味、日本の「国力」を再び世界に知らしめる結果になったことだろう。
 川島、本田圭、長友、長谷部、香川、遠藤、岡崎、前田、李、殊勲者を挙げれば数え切れないところだが、中でもザッケローニ監督の采配は一際優れ、見事なものだった。戦術、選手起用法、コミュニケーションの取り方など、その手腕の詳細を我々は報道でしか知るすべがないのだが、そのすべてに共通する、選手を「信じる」という姿勢は、ゲームを見ているだけで十分に伝わってきた。一番の勝因は、「チームの信頼」だったのではないだろうか。
 勿論、結果を出したからこそ、そんな評価が下される。仮にヨルダン戦のロスタイムがなければ、そしてシリア戦の本田圭のPKが十数センチ左右どちらかに逸れていたら、日本は1次リーグで敗退していたことになる。勝っても、負けても紙一重。勝負の世界は所詮そんなもの。だからこそ指揮官の苦労は、計り知れない。
 ●なぜ、いま我が国の政治が閉塞状態にあるのか。政治とカネ、国会の衆参ねじれ現象、政党間の政策の違いなど様々な要因が考えられるのだが、一番の理由は何と言っても、政権を握る指揮官に対する国民の「信頼」が薄れていることに尽きる。偽りだらけのマニフェスト、安全保障や国会審議に関する暴挙や暴言の数々。そのことを自覚していながら訂正や謝罪もせず、まして誰も責任を取らないまま権力の座にしがみつこうとする姿勢に、国民はもうウンザリしている。こうなっては、どんなに素晴らしい政策を訴えても、パフォーマンスを見せてもダメ、一度失った信頼を取り戻すのは容易なことではない。
 ここに至っては衆議院を解散するべきではないのか! やれ政治空白ができるやら、短期間に次々と首相の顔が変われば経済、外交に悪影響が起きるなどと懸念する向きもあるようだが、だからといって信頼を欠いた政権を継続させることに何の意味があるというのか。国益を失うだけじゃあないか。もともと国民は「一度民主党にやらせてみれば」程度で選んだ政権。化けの皮が剥がれた時点で、お試し期間は終了だ。
 ●それでは自民党に政権が戻ってくるのか。世論は明らかに「頑張れ」と叱咤してくれているようにも見えるのだが、残念ながら多分に民主党の自滅による恩恵のようにも映る。
 政権奪還に向け我が主人、衛藤晟一参議院議員は、こう語っている。
 「大切なのは、閉塞状況にある日本をどう再生するかだ。そのために、自民党はこれからの日本の姿を明確に示す必要がある。戦後体制を見直す大改革に取り組む強い覚悟がないと、国民の信頼も取り戻せない。もし、既存の政党にその力がなければ、思いを同じにする議員が結集してやるしかない」