破綻したマニフェスト

  ★2011年度予算案の関連法案の審議が衆議院で始まった。予算案は衆議院の多数を持って成立するが、関連法案は参議院で野党の理解が得られなければ衆院に再送付され、3分の2の賛成で再可決をしなければ成立しない。現状の自、公、社民等野党の政策を調べると、所得税の控除見直しや法人実効税率の5%引き下げ等を盛り込んだ税制関連法案、赤字国債などで約40兆7.000億円の財源を確保する特別公債法案、3歳未満児に月2万円、3歳~中学生につき1万3.000円支給する子ども手当法案について政府案に賛同するのは難しいようだ。こうなると衆議院で再可決できなければ、来年度予算は執行できないことになる。現政権崩壊を意味する「3月危機説」は、ついに現実味を帯びてきた。
 ★そもそも民主党政権の公約は、すでにその根底から破綻をきたしている。マニフェスト実行を裏付ける予算の根拠は何だったのか。無駄の撲滅と予算の組み替えではなかったのか。このことが実行できないままに、「国民生活が第一」などと言う耳触りのいい政策を並べたところで、所詮「絵に描いた餅」。国民の多数を巻き込み増税を財源にした詐欺まがいのパフォーマンスは、いよいよ終焉を迎えようとしている。
 ★民主党に限らず、政治家の「信頼」が薄らいでいるのは残念ながら事実だ。とにかく大衆迎合で要領の良い無責任な発言を繰り返し、挙句に責任を取らない政治家の多いことか。政治とカネ、米軍沖縄基地、尖閣、北方領土問題、数えればきりがない。もう国民はウンザリしている。「約束しても出来ないことは言わない。言った限り約束は守る」。小学校の道徳の授業で教わったようなこと、これだけで政治家の信頼は確実に取り戻せると思うのだが、こんなことから始めなければならないなんて、なんと情けない低次元な話だこと。
 ★民主党のマニフェストはどうしようもないけれど、各政党の公約もパフォーマンス優先になっていないか。選挙制度改革もそのひとつ。一票の格差是正は早急に改善する必要があるけれど、議員定数の問題は、人口比、男女比等適正な議員定数の議論なく、ただ数だけ減らせれば良いというものではないだろう。さらに民主党の謳う企業、団体献金の禁止は全く理解できない。民主党の国会議員は本当に個人献金と政党助成金だけで政治活動ができるというのか。なぜ、個人献金は善で企業、団体献金は悪なのか。そういえば、身内から数億円の援助を受けた方も、都内に不動産を多数所有している方も民主党の議員だったっけ…。