感謝広告の掲載に疑問

  日本政府が菅直人首相名で4月11日付の外国紙に掲載した「感謝広告」に批判が出ていることで衛藤晟一参議院議員は20日午前、外務省関係者を議員会館に呼び、詳細な経過を聴くとともに「配信方法に論理的根拠が乏しく、我が国の誤ったメッセージ、イメージを与えかねない」と厳重に抗議し、今後の広報活動にも注意を払うよう求めた。
 この批判は、日本政府が東日本大震災での支援国に、感謝の意を表すために掲載を依頼した「感謝広告」に対するもので、国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンと米英仏中韓露の1紙ずつの7紙にのみ有料で、その他の国には無料で掲載を依頼したため、ドイツ、イタリアなど多くの国、地域に広告が掲載されなかったというもの。
 市民団体らは「広告掲載がなかった在外大使館からは『日本に感謝されていない』との誤ったメッセージに映っている」と反発、「特に世界一の募金額(約142億円)を集めた台湾に感謝広告を出さなかったことを外務省に訊ねたところ『広告は義援金の額で決定したのではなく、国の規模と近隣諸国への影響を考慮して決定した』との返答だった。これには中国の影に怯える媚中的考え方がにじみ出ているとしか思えない。どうみても政治的な意図が感じられる。これでは国民の本当の感謝の気持ちが世界に伝わらない」(日本李登輝友の会)と訴えている。
 外務省は「予算に限りがあった。世界的に購読されている英字新聞3紙、国際的な意味(G8議長国)での仏、それに近隣として中露韓の7紙に有料でお願いした。その他134の国と地域には無料での掲載をお願いし、現在54の国、地域で176紙が取り上げている。他にも世界40言語で翻訳した文章をネットで配信している」と説明する。
 これに対し衛藤議員は「なぜ7紙だけが有料なのか、その根拠が全く分からない」と指摘、「最初からすべて無料でお願いするのか、それとも世界的な英字新聞だけにするのかなど、明確な基準がどこにも感じられない。まして、曖昧に近隣というが、ならば台湾を外した理由が、よけいに分からない。台湾は善意で、パブリックで扱ってくれたが、ドイツやイタリアでは今もって掲載されていない。感謝の気持ちが誤って不信感や、不快感を与えないよう、もっと注意を払ってほしい」と述べ、政府の対応を批判、改善を促した。